活動報告 REPORTS

活動報告

令和5年度 第8回通常総会:総会及び講演会

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2023年5月20日、NOWAC第8期通常総会を開催しました。(総会出席26名、各講演会・勉強会39名出席)

NOWAC第8期通常総会を開催

2023年5月8日付にて新型コロナウイルスの取り扱いが5類となり、イベント開催制限、施設の利用制限も廃止となったため、久しぶりの制限なしでの開会となりました。
議事は3報告、3議案で、粛々と進行し、つつがなく終了致しました。会員の皆さまからの心強いお力添えに、改めて心より感謝申し上げます。

通常総会の後、まずは日頃より当協議会の活動へさまざまご支援いただいております、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社様との共催にて、「事業継続力強化計画策定セミナー」を開催致しました。

「事業継続力強化計画策定セミナー」を開催

大規模災害や経営者の高齢化など、企業が事業を継続していくために考えていかなければならない事は多岐に渡りますが、現状、そういった対策に割ける人材の余裕もない中小企業にとって、やらなければと頭では分かっていてもなかなか実行出来ず悩ましい現状があること、また、災害等に罹災した際に、どのように通常状態に復旧していくのかをまとめるBCP(事業継続計画)の策定だけを考えても、50〜60枚に及ぶ書類作成が必要で、その負担の大きさから計画策定が進んでいない現状が見えました。

「事業継続力強化計画策定セミナー」を開催

今回セミナーでご紹介いただいた「事業継続力強化計画」は、5枚程度の書類作成、45日程度で計画認定が受けられるもので、認定を受けると様々なメリットも享受でき、その後のBCP策定に繋げていくためのステップとなる比較的取り組みやすいものでした。
あいおいニッセイ同和損害保険株式会社様が計画策定・認定に向けたアドバイスや支援を行っていただけるとのことでしたので、会員の皆さまで取り組んでみたいという方は、ぜひお気軽にお声がけください。

続いて、当協議会主催、鹿角市後援による「再生可能エネルギーフォーラムinかづの2023」がスタートしました。
開催に先立ち、ご臨席いただきました 関 厚 鹿角市長よりご挨拶をいただき、続いて金田勝年衆議院議員、緑川たかし衆議院議員より頂戴したご祝辞を披露させていただきました。

第1部では、デンマーク在住のケンジ ステファン スズキ氏とLIVEで繋ぎ、「世界で最も幸せな国デンマーク その理由について」と題したWEB講演会を開催致しました。

世界で最も幸せな国デンマーク その理由について

消費税率は違いますが、直接税や社会保険料などの国民負担率は日本とほぼ変わらないにもかかわらず、将来の不安なく安心して暮らせるデンマーク。
食糧自給率カロリー計算で100%以上、世界で最も地球温暖化対策を進め、電力供給の約8割は再生可能エネルギー源、労働時間は日本の約85%であるのに、一人当たりGNPは約1.7倍と生産性も高く、世界で最も汚職の少ない国でもあります。
ここに至るまでにデンマークの国民が国の在り方をどう考え、どういったことを実践してきたのか。それらを知ることは、我々が抱えるさまざまな問題・課題を解決していくための多くの示唆がありました。

デンマークでは受験のための勉強ではなく、エネルギーについてや産業について、政治についてなど、将来の国づくりに必要となる知識や教養を学べる授業となっており、何度でもやり直しが可能で、次の世代をしっかり育てる教育システムが作られていました。
また、無駄を省き、収益を最大化させ生産性を高める取り組みなど、非常に効率的・合理的な考え方でさまざまな取り組みを行なっており、国家が企業経営をしているかのように感じました。

この「実践的な教育」が、一人一人が考えて行動出来る国民を育て、将来の不安なく安心して暮らせる国づくりにつながっているのではと思います。

さすがに我々の力では教育改革は出来ませんが、学びの場は提供できると自負しております。
学校では教わることができない、実践的な学びの場を提供していくことを、今後の協議会運営の1つのテーマにしていきたい、デンマークのような国があることを、多くの子どもたちに知ってもらいたい、そう思いました。

続く第2部では、株式会社森のエネルギー研究所 取締役、西目屋薪エネルギー株式会社 代表取締役 虎澤裕大氏を講師に迎え、「森と暮らしをつなぐ、木質バイオマスの小規模熱利用」と題し、勉強会を実施致しました。

 代表取締役 虎澤裕大氏

地域において木質バイオマスを有効活用するためには、川上の燃料供給者から川中の燃料製造者には ある程度の「量」を扱えるよう、川下のエネルギー利用者個々は小規模でも燃料製造はある程度の規模が出るよう、地域の範囲を狭くし過ぎないように行政境界にとらわれず、生活圏や地域圏域で連携していくことが大切であると学びました。また、木質バイオマスは地域により向き・不向きがあり、まずはその見極めが重要だと学びました。

脱炭素の面で考えると大きな貢献は望めないが、エネルギーの地産地消によって地域経済から流失していたお金を地域内で循環出来るようになること、現在の化石燃料費高騰を受け、燃料費の削減効果が高いこと、イニシャルコストを抑えたボイラー等の機械が出てきたことなどを考えれば、熱利用が理想的である木質バイオマスにおいては、寒冷地である北東北では有効な再生可能エネルギーの選択肢たるものかと思います。

木質バイオマスの現状、問題点や課題を包み隠さず伝えていただいたことで、木質バイオマス事業の実践の可能性について理解を深めることが出来ました。

セミナーやフォーラム全体を通して、当協議会としては今後もこのような学びの機会を作り、当協議会会員に限定せず、近隣地域の方へも学びの機会を提供していくことが重要であると再認識しました。
今後とも、講演会や視察、セミナー、シンポジウムなどを通じて、会員や地域の方々とエネルギーや地域のことについて考え、研究、実践していきたいと思います。本年も北東北小水力利用推進協議会(NOWAC)の活動へのご指導ご鞭撻、お力添えをお願い申し上げます。

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当協議会は、持続可能な地域づくりと環境保全に寄与する活動を目的に設立されました。
古くから北東北に身近にあり豊富にある”水”を地域エネルギーとして、地域の人々によって事業化・管理・利活用していく取り組みや、地域が主体的に地域エネルギーや環境について考える「場」となっています。
私たちは視察や講演会、シンポジウム、勉強会、イベント開催などの活動を通じて学び、仲間づくりを行い、持続可能な地域づくりや環境のあり方、自然を活かした未来に繋がる社会エネルギーシステムの構築に向けて、より有意義な活動を目指している途上です。
地域の未来、ここに暮らす子どもたちの未来を真剣に考えている方、未来を担う当事者である若者や子どもたち、地域・環境・次世代のために何か貢献できることはないかと考えている方など、何らかの想いがある皆さまのご参加とお力添えをお待ちしております。

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