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活動報告

令和元年度 第1回例会:視察及び野澤様講和

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夏本番のうだるような暑さの中、7月24日本年度第1回例会では、青森県八戸市の旧島守発電所・世増ダムの2ケ所を視察しました。北東北小水力利用推進協議会では、初めての青森県の視察でした。

旧島守発電所は、八戸市南郷区大字島守にあります。1914年(大正3年)8月「八戸水力電気(株)」が八戸地域では是川発電所についで、二番目の発電所として建設し、平成11年8月まで85年間稼動を続けました。この発電所の建設により誘致したカーバイド工場が八戸地方の臨海工業地帯誕生の端緒とされているそうです。

この発電所の建設により誘致したカーバイド工場が八戸地方の臨海工業地帯誕生の端緒とされているそうです。
現存する水力発電所としては、青森県では最古、東北地方でも二番目に古い歴史を誇り、出力250KWで70~80世帯分の発電をしていました。
大正時代のドイツ製横軸水車と発電機を一組残す近代水力発電所施設は保存状態がよく、発電所の水車や発電機等、往時の発電施設のラインそのままに見学することができました。
平成21年11月19日には、登録有形文化財に登録されています。
上流の世増ダムの整備により、取水が不可能となり、廃止が決定されました。事務局が準備した資料をもとに、NOWAC副会長の古家博文さんに発電所のなりたちや技術や設備概要等の解説をして頂きました。

視察

発電所のなりたちや技術や設備概要等の解説の様子

そこから歩いて5分、上流にある世増(よまさり)ダムに向かいました。
東北農政局が管理している多目的ダムで、ダムの型式は重力式コンクリートダム。

世増(よまさり)ダム

ダムの貯水能力は青森県西目屋村の目屋ダムに次いで青森県では2番目に大きいとのことで、巨大なダムはデザイン的にも美しく、青葉湖に時々吹き上がる噴水が時折涼を誘ってくれました。
現在、青森県の南部地域に灌漑用水、上水として供給しており、大雨時には洪水調節の役割を果たし下流一帯の地域の洪水災害を防ぐ役割を担っています。
八戸平原総合農地開拓事業計画により建設され、青森県、八戸圏域水道企業団、種市町水道事業の4事業者が費用負担をして2003年に完工しました。

その後三沢市に移動し、三沢市公会堂にて野澤日出夫さんより、「心地よく豊かに生き延びるために」のテーマで講話頂きました。

ビオトープ、再生可能エネルギーへの取り組みの意義など小岩井牧場の事例も交えて興味深く聞かせて頂きました。
NOWACでも今後SDG‘sにも関心をもって勉強していきたいという意見が会員から出ました。
懇親会は、海産物の豊かな三沢らしく美味しいお鮨や御料理、美酒で盛り上がりました。三沢市の会員の方々に歓迎頂きました。