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活動報告

令和5年度第2回例会:「秋田県八幡平第二発電所」の視察会

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2023年11月8日、令和5年度第2回例会を開催し、鹿角市八幡平の「秋田県八幡平第二発電所」の視察を実施しました。 ご参加の皆さま、冷え込む中での視察、お疲れ様でした。

秋田県八幡平第二発電所は秋田県鹿角市八幡平に所在し、昭和60年7月1日に運転開始された県営の発電所です。
熊沢川と赤川から取水し、有効落差は99.70m、発電形式は水路式、水車形式はフランシス水車で、認可最大出力は1,500kW、常時出力は210kWとなっています。
八幡平第二発電所の少し下流には、八幡平発電所の取水堰と沈砂池があり、そこから手で掘られた約5.3kmのトンネルを通り、 八幡平発電所の上部水槽に導水されています。

上水槽では自動で落ち葉などを除塵し、管理者の負担を軽減する仕組みとなっておりました。

オレンジ色の櫛状のもの2つが、チェーンで回り、除塵します

櫛状のものが回転しながら引っかかった落ち葉などをかきあげ、コンベアで運び出します。
運び出された落ち葉などが貯まる建屋が一杯になるとアラームが鳴り、職員が掃除に来るとのことでした。
夜中や大雪などの日にアラームが鳴ることが多いとのことで、負担は軽減されてはいるものの、ご苦労もあるようでした。

続いて取水口を見学しました。
熊沢川から赤川へ導水し、赤川から取水しています。
チロル式の取水設備のすぐ先に沈砂池があり、ここから直線距離で約1km先の上水槽へと導水されています。

取水施設には熊がかじったものと思われる比較的新しい破損が見られ、周辺に注意しながらの見学となりました。

最後に発電所を見学しました。
フランシス水車は、水の圧力と速度を「ランナー」と呼ばれる羽根車に当てて水車を回転させる仕組みで、日本の水力発電所の約7割で導入されている水車です。

写真手前側から水が流入し、水の圧力と速度で環状に見えるパイプの中心にあるランナーを回し、 写真左側へと水が流れ、放水口から熊沢川に水が戻ります。写真右側が発電機となっており、この日は最大出力に近い発電がなされていました。

今回視察した八幡平第二発電所は1,000kWを超える発電所ではありますが、1,000kW以下の小水力発電と仕組みは非常に近しく、大変参考になりました。 また、津谷所長には見学施設ごとで質疑にも丁寧にご回答いただき、大変実りある視察となりました。 今回の視察にあたり、ご支援・ご協力を賜りました秋田県大館発電事務所の皆さま、ありがとうございました。